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リフォームのよくある失敗事例20選!後悔しないためのポイントも解説
自宅の経年劣化に伴い、リフォームを実施する時、どれだけ綿密に計画を練っていても「失敗した」と後悔するケースが多く見られます。失敗はリフォームの数だけあるように思えますが、大きく分けると「費用面」「実用面」と大きなくくりにわけて対策可能です。
当記事では、実際に起こったリフォームの失敗例をもとに適切な対処法を紹介します。失敗から学び、自宅のリフォームを成功させましょう。
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目次
リフォームにありがちな失敗は2種類
ネット上でリフォームの失敗談を見ていると実にさまざまです。しかし、リフォーム上のトラブルはほとんどが「費用面」「実用面」のどちらかに分類されます。失敗の原因や傾向を確認することで、トラブルを予防できるためここで確認しておきましょう。
①費用面
もっとも悩ましい問題は「リフォームの費用」です。できる限り費用をおさえてリフォームしたいと考えるご家庭は多く、計画から施工中まで費用の悩みはつきまといます。
費用を抑えすぎて必要なリフォームができなかった
リフォームにかける費用は「できるだけ安く済ませたい」と考える方が多いでしょう。実際に、戸建の場合は子どもの学費にお金がかかるタイミングが多く頭を悩ませることも。
しかし「費用をおさえて最低限」を徹底しすぎて、必要なリフォームができない失敗例も多々見られます。また「予算内で無理やりおさえたけれど、後から追加工事が必要になりかえって費用がかかった」ということも考えられます。
費用をおさえることは大切です。しかし、リフォームの必要箇所を把握して現実的なプランに向き合うことも欠かせません。
お金をかけすぎて支払いが困難になる
「新築の時に後悔した箇所をリフォームで解消したい」と考え、費用が高額になるケースも見受けられます。大がかりなリフォームの場合、事前に「リフォーム積立て」を行っている場合はキャッシュフローの見通しが立つため、多少予算の融通が利きます。
しかし、積立預金がない場合は「思ったよりも費用が高くて支払いが辛い」と後悔することも。
月に数万円や、ボーナスから積立てを行っておくことはもちろん、支払い可能範囲を明確にしたリフォーム計画を行うことで、ゆとりある設計が可能になります。
②実用面
費用面をクリアしても、住み心地で「失敗したな」と感じるケースもあります。具体的には、導線のシミュレーション不足による不便さやライフスタイルの変化を考慮しない設計が挙げられます。
リフォームしたのに家事動線が悪くなった
家のリフォームは劣化した箇所を修繕することはもちろん、より住みやすい家づくりが目的です。しかし、計画によってはリフォーム前よりも勝手が悪い仕上がりになり結果的に「失敗したな」と捉えられることがあります。
リフォームを計画すると、洗練された間取りや豊富なアイテムの中から自分が求めるものを選択していきます。そのため、新築時のようにワクワクして、つい必要ないものやデザイン重視で自宅にふさわしくないものを選択してしまいます。
しかし、リフォームはあくまで継続していまのいえで快適に過ごすために必要なイベントです。そのため、使いやすさを常に念頭に置くことが大切です。
ライフスタイルの変化を加味していなかった
リフォームには、これから起こるライフスタイルの変化も加味する必要があります。子どもがいる家庭は成長して巣立つこと。また、自身においては老後のこと。リフォームにおいては、新築時よりもこれからの数十年を見越した家づくりが求められます。
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【よくある20のケース】具体的な失敗例を紹介!
リフォームの失敗は「費用」「実用」の2つに分類されます。しかし、より具体的なシーンに落とし込んで確認することで、計画時のシミュレーション不足を予防できます。
ここでは、リフォームで起こりやすい具体的な失敗例をタイミングや箇所ごとに紹介します。
【予算・段取り編】
まずは予算や施工前後に起こる失敗やトラブル事例の紹介です。
1.予算を低く設定しすぎて必要なリフォームができなかった
「築年数が古くなったため、お風呂とキッチンのリフォームを実施。しかし、予算は100万円に設定していたため、選べる商品が限られてしまい、満足の行くリフォームにならなかった。キッチンを入れ替える時に、本体だけでなく配管工事まであると想定していなかった。」
リフォームを検討する際に、自分でメーカーのカタログだけ見て価格を判断すると予算設定を見誤ってしまう可能性が高くなります。そのため、リフォーム業者に一度来てもらい、正式な価格を出してもらった上で決断することが大切です。
2.オプションをつけすぎて支払いが苦しくなった
「築30年超の自宅をリフォームすることになり、サウナにハマっていることもあり浴室にミストサウナをオプションで設置。しかし、最初こそ頻繁に使っていたが、日が経つにつれて使わなくなった。また、ミストを発生させることで浴室のメンテナンスが大変になった。他にも、埋込式の浴室テレビをつけたり、浴室暖房をつけたけれど金額が大きくなった割には使っていないため少し後悔している。」
リフォーム時は最新設備が魅力的に感じられ、ついつい必要ない機能をオプションでつけてしまい、支払時に後悔するケースが多く見られます。予算と照らし合わせてしっかりオプションの取捨選択をしましょう。
3.業者に任せすぎて不満が残った
「仕事が忙しくて業者との打ち合わせの時間がなかなか設けられず、細かな点の相談ができなかった。システムキッチンの種類や壁紙の柄などは指定したが、細かな点を把握しきれなかったため、なんとなく仕上がりが予想と違うなと感じた。」
リフォームには入念な打ち合わせが欠かせませんが、働きながらの打ち合わせはなかなか満足に行えない家庭もあります。しかし、業者との打ち合わせ不足になると思い描いていたリフォームができなくなる可能性もあるため、できるかぎり時間を確保して不安や疑問を解消しておくことがリフォーム成功には欠かせません。
【キッチン編】
次に、キッチンのリフォームで起こりやすい失敗例を紹介します。
4.対面キッチンにしたら管理が大変になった
「テレビを見ながら家事をしたいと思い、ダイニングとの仕切りが低い対面キッチンにリフォームした。しかし、キッチンが丸見えで毎日きれいに保つことが大変になった。お客さんが来たときは時に気を遣うことになりちょっとしたストレスを感じる。」
キッチンは家の中でも目立つため、ついつい見栄えを意識します。しかし、来客時や普段の生活スタイルを意識して作らなければ日々のメンテナンスに疲れを感じる可能性も。そのため、キッチンは特に生活をイメージして選択しましょう。
5.キッチンの導線が変わって不便になった
「これまでは対面キッチンだったが、リフォームによってオープンキッチンに。デザイとしてはとても気に入っているが、作業の導線が変わりもたついてしまう。」
リフォームで間取りが変わった場合、慣れるまで不便さを感じる可能性があります。多くは1ヶ月程度で慣れますが、非効率的な動線の場合は不慣れではなく不便を感じることも。そのため、キッチンを選ぶときは商品や間取りを見て自分の動きをイメージしてみましょう。
6.シンクを広くしたら調理スペースが狭くなった
「のびのび洗い物をしたいと思い、シンクの大きさを広く取った。しかし、食洗機がついていて洗い物をする機会は減り、結果的に調理スペースが狭く不便さを感じる。」
シンクが小さいと洗い物の際に水はねがひどかったり、鍋が洗いにくかったりと不便さを感じます。しかし、まな板を置く調理場が狭いとよりストレスを感じることも。そのため、シンクの広さを設定するときは、「食洗機の有無」「シンクを広くすることで調理場がどれくらいの広さになるか」などキッチン全体のサイズや幅をしっかり確認しましょう。
7.キッチンの高さが不適切だった
「キッチンの入れ替えの際に、これまでよりも少し高さがある商品を選択。しかし、実家で80代の母が料理している姿を見ていると『年をとるにつれて背中が曲がり身長が縮んだ時にどうしよう』と少し後悔している。」
キッチンの高さは選択可能ですが、高さによっては高齢になった時に不便さを感じることも。そのため、いまだけでなく自分の年齢が高くなったときのことも想定しておきましょう。
8.収納スペースが多すぎるor少なすぎる
「キッチンの入れ替えを行ったら、予想以上に収納スペースが少なく別に食器棚を購入することになった。」
「収納スペースが多いキッチンを選択したが、高いところはまったく使っておらず不要と感じる」
最近は別途食器棚を購入せずとも、キッチンにあらかじめ収納がたくさんついています。しかし、家族の人数や持っている器具や皿によっては足りないということも。このトラブルを防ぐためには、リフォーム前にキッチン周辺の荷物を確認しておくことが大切です。
【浴室編】
次に、浴室のリフォームで起こりやすい失敗例を紹介します。
9.明るい壁紙にしたら水カビや汚れが目立つ
「浴室を明るい印象にしたいと思い、洗い場も浴槽も白を選択。しかし、赤い水垢が目立ち毎日丁寧に掃除をすることになった。また、髪の毛を自宅で染めると染料が床についてとれなくなることも大変だなと感じる。」
浴室は体を清めるところなので、白で清潔感を出したいと感じます。しかし、明るい色はメンテナンスにストレスを感じることも。そのため、水垢や汚れが目立ちやすい床はブラウンなど清掃がしやすい色合いを選択することもおすすめです。
10.機能をつけすぎて管理が大変に
「浴室のリフォームの際に、浴室暖房やジャグジーなどたくさんのオプションをつけた。しかし、実際には殆ど使わずにいる。しかし、メンテナンスが必要なためつけなければよかったと感じている。」
近年は浴室に便利機能が多くつき、快適なバスタイムをおくることができます。しかし、ものによってはメンテナンスに費用がかかったり維持が面倒なことも。そのため、長期的に見て「使う・使わない」を判断することが大切です。
【子ども部屋編】
次に、子ども部屋のリフォームで起こりやすい失敗例を紹介します。
11.壁紙が可愛すぎた
「一番下の子どもが小学校に上がるタイミングで子ども部屋のリフォームをした。子どもが可愛らしい柄の壁紙を選択して採用したが、高校生になり壁紙に不満を漏らしている」
子ども部屋の壁紙はついつい可愛らしいものを選んでしまいがちです。しかし、子どもが思春期から大人になるにつれて「やめておけば良かった」と後悔する人も。子どもが大きくなっても使えるように長く使うことを意識した壁紙選びが大切です。
12.仕切りの付け方によって日光が入らない部屋ができた
「結婚と同時に家を購入したため、子どもが何人になるかわからず、仕切りをつけて部屋を分割できる仕様にした。子どもが2人になり部屋に仕切りをつけるリフォームを実施。しかし、片方の部屋は日光が入りにくい間取りになりずっと電気をつけっぱなしという状態になった。」
子どもが大きくなってから仕切りで部屋を作るケースは多く見られます。しかし、日当たりまで気が回らず「湿気が溜まる」「日光が入らず健康によくなさそう」と不満を感じることも。計画時は担当者にデメリットを確認した上で施工に進みましょう。
13.収納をケチったら片付かない部屋になった
「リフォーム時に収納を付けたいという妻に反対して、そのスペースに自分の書斎を作った。しかし、洋服や扇風機などの収納場所がなくなり以前よりも片付けが大変に。扇風機が一年中出ている部屋になってしまった。」
部屋を広くしたいと収納を減らすと片付かない部屋になります。そのため、手持ちの家財や荷物を確認した上でいま必要な収納+2割増程度の設計を行いましょう。
14.成人してからのことを考えず作ってしまった
「子どもが中学生の時にキッチンと子ども部屋のリフォームを実施。子どもの要望を聞き入れてお金をかけて子ども部屋のリフォームを行った。しかし、子どもは県外の大学に行きそのまま就職。お金をかけた子ども部屋は4年しか使われず、倉庫のようになっている。」
家はライフスタイルの変化によって「使う場所」「使わない場所」が変化します。そのため、今だけでなく20年先を見越したリフォーム計画が大切です。
【トイレ編】
次に、トイレのリフォームで起こりやすい失敗例を紹介します。
15.掃除しにくい床材を選んでしまった
「トイレの床や壁のデザインを豪華なものに変更。しかし、壁紙や床は凸凹があるデザインだったため、溝にホコリが入り込んで掃除しにくく汚い印象になってしまった。」
見た目で選択して、機能面を考慮しなければ生活していく中で不便さを感じます。そのため、トイレの壁紙等清潔を保つ必要がある場所はデザイン性よりも機能面を重視しましょう。
16.手洗い場が使いにくい
「トイレリフォームの際に、手洗い場を設置。もともと広くないトイレに手洗い場がついたため、全体的に狭く使いにくくなった。さらに、これまでの習慣から家族はトイレを出て手を洗っているため、手洗い場をつけたことに後悔している。」
もともとなかった設備を導入すると、習慣づけられなかったり反対に不便さを感じます。そのため、設備の追加はなくても生活できるかをラインに慎重に設定しましょう。
17.収納スペースがなく余計に予算がかかった
「子どもが想定よりも増えたため、これまでの収納スペースを無くし子ども部屋にリフォーム。しかし、収納がなくなったため別途カラーボックスを購入したり、大きな棚を購入したりと結果的に多くのお金がかかった。」
収納スペースは、生活してから後悔するポイントのひとつです。計画時に持ち物を整理したり、収納計画を立てることで適切なスペースの確保ができます。また、小さな子どもがいるご家庭は高校生になった時の収納量を意識すると失敗を防げます。
【その他】
最後に、細かな点で後悔した例を紹介します。
18.コンセントが少なかった
「コンセントの追加をあまり考えていなかったが、リビングの間取り変更とともに既存のコンセントでは不便になった。ソファで横になりながらスマホを充電するなど、もっと生活シーンを想定しながら計画すれば良かった。」
コンセントの数は実際に住んでみて不便を感じ始めます。そのため、計画の際に家族と生活をシミュレーションしてコンセントの位置を決定しましょう。
19.光熱費がかかる間取りになった
「築60年の実家をリフォームする際に、吹き抜けの間取りに変更。開放感があって夏場は涼しいが、冬はエアコンをフル稼働させてもなかなか温まらないデメリットがあった。光熱費がリフォーム前よりも月1万円高くなり後悔している。」
デザインを重視した結果、実用面でコストがかかったり不便を感じるケースは、瞬間的な喜びや利点よりも継続して快適かを判断基準にすると防止できます。
20.ライフスタイルに合わない間取り
「子どもは巣立ち、夫婦2人が住みやすい家にリフォームした。2階のベランダにはガーデニングできるスペースを設けたが、年々足腰が弱くなりガーデニングから足が遠のきベランダは散らかり放題。自身の健康状態を過信した計画に後悔している。」
リフォームを実施するタイミングは家庭によりさまざまですが、ライフスタイルの変化によって明らかに使わなくなる機能や間取りは避けましょう。長く快適に住むために必要かを自身に問いかけながら計画を立てると予防できます。
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まとめ:リフォームの失敗は予防できる!
リフォームを実施する際は魅力的な商品がたくさんあるため、ついつい今の感性で選択しがちです。しかし、リフォームの目的は「長く住むため」です。そのため、現在だけを考えるのではなく数十年後を見据えてリフォーム計画を行いましょう。