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中古マンションリフォームのメリット・デメリットは?費用相場や施工事例も解説!
近年は高額な新築マンションではなく、中古マンションを低価格で購入して自分好みにリフォームする方法が主流になってきました。
しかし「中古マンションのリフォームってどんなことができるの?」「どれくらい費用がかかるの?」と不安に感じる方も少なくありません。
本記事では、中古マンションのリフォームの費用相場や施工事例、リフォームする際の大切なポイントなどを紹介します。
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目次
中古マンションリフォームでできること・できないこと
まずは中古マンションをリフォームする際に「どんなことできるのか?」「どんなことができないのか?」を解説していきます。
〇中古マンションのリフォームでできること
中古マンションリフォームでできること
- 内装のフルリフォーム
- 水回り設備のリフォーム
- 小規模な間取り変更
- スケルトンリフォーム
中古マンションのリフォームでは、床や壁、天井などの内装リフォームから経年劣化した水回り設備の交換、和室をなくてしてLDKを広くするというような小規模な間取り変更は問題なくできます。
また、築20年以上の古い中古マンションの場合は、リフォームの際に壁のコンクリートが見える部分まで住戸内を解体して1から作り直すスケルトンリフォームもおすすめです。
×中古マンションのリフォームでできないこと
中古マンションリフォームでできないこと
- キッチンやお風呂など水回り設備の移動
- 大規模な間取り変更
- 外壁や窓のリフォーム
- ベランダやバルコニーのリフォーム
- 共有部分(廊下や玄関)のリフォーム
- 耐震性を上げるリフォーム
中古マンションのリフォームでは、廊下や玄関などの共有部分や上下左右の住戸、マンションの構造に影響を及ぼすような工事は許可されていないことが多いです。
また、専有部分(自宅内)であっても、マンションの配管リフォームが必要な水回り設備の移動や大幅な間取り変更もできない場合がありますので注意しましょう。
マンションのリフォームをする場合には、必ず事前に管理規約と使用細則を確認して、できる工事とできない工事を把握するようにしましょう。
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中古マンションリフォームのメリット
つづいては中古マンションをリフォームするときのメリットについて紹介します。
中古マンションリフォームのメリット
- 新築を買うより費用が抑えられる
- ライフスタイルに合わせられる
- 物件の選択肢が豊富
新築を買うより費用が抑えられる
中古マンションを購入してリフォームする場合、新築マンションを購入するよりもトータルで価格が安く抑えられるケースが多いです。
下記は首都圏のマンションにおける築年数ごとの平均成約価格を示したグラフです。
(東日本不動産流通機構のデータを元にリフォスム編集部にて作成)
新築時と築11~15年とでは約1,000万円の価格差があることがわかります。築21年~となるとその差はさらに大きくなります。マンションをフルリフォームする費用相場は300万円~1000万円程度なので、安く物件を手に入れてリフォームをすればトータルコストが大幅に削減することが可能です。
費用を抑えてきれいなマンションが手に入ることは中古マンションリフォームの大きなメリットです。
参考:築年数から見た首都圏の不動産流通市場|REINS TOPIC
ライフスタイルに合わせられる
リフォームは住んでいる人のライフスタイルに合わせて、さまざまな機能を取り入れることができます。高齢の方が住みやすいような設計にすることや、防音強化して子どもが騒いでもうるさくない家づくりを行うことも可能です。リフォームは新築に比べて、個人の要望に合わせた柔軟な家づくりをすることもできます。
新築マンションには初めから備え付けられたものが多く、自分の好みと合わない場合もあります。リフォームをする際は好みのものに統一でき、より自分の嗜好に合った空間作りができます。
物件の選択肢が豊富
中古マンションリフォームの場合、物件の選択肢が新築マンションよりも多いこともメリットの1つです。そもそも市場に出る中古マンションの物件数は新築マンションの4~5倍とされており、母数が違います。
さらに、中古マンションの場合は好立地の物件が多いこともメリットとなります。理由は単純で、新築マンションよりも先に良い土地を選ぶことができたためです。多くのエリアにおいて選択肢の豊富さ、とりわけ好立地物件の多さでは中古マンションの方に分があります。
中古マンションリフォームのデメリット
つづいては中古マンションをリフォームするときのデメリットについて紹介します。
中古マンションリフォームのデメリット
- 住み始めるまでに時間がかかる
- 共用部分は工事できない
- 初期費用が高くなる
- 耐震性に不安が残る場合がある
住み始めるまでに時間がかかる
予定通りの日に確実に住み始められる新築マンションに対して、中古マンションリフォームの場合は購入してから工事をする分、住み始めるまでに時間がかかります。さらに施工期間が長引くなどして予定通りの日に住み始められないという可能性もあります。
また、仮住まいが必要になることもあるので注意しておきましょう。
マンションの共用部分は工事できない
マンションには共用部分と占有部分があります。共用部分とはエレベーターや廊下、エレベーターなどマンションの住人すべてが利用する部分です。一方、専有部分は住人が単独で所有している部屋の中を指します。
マンションのリフォームができるのは専有部分のみになりますので注意しましょう。
初期費用が高くなる
中古マンションリフォームのデメリットとして、まず初期費用が高くなってしまうことが挙げられます。
マンション購入費用は低金利の住宅ローンで借り入れることができますが、リフォーム費用を住宅ローンに含めることは基本的にはできません。リフォームローンを利用することもできますが、金利は住宅ローンに比べて数%高くなってしまいます。
ただし、最近ではリフォーム一体型住宅ローンの商品も増えつつありますので、初期費用をなるべく抑えたいという方はこちらの利用もご検討ください。
耐震性に不安が残る場合がある
中古マンションをリフォームすれば室内や水回り設備は新築同様の品質にすることができますが、建物全体の構造部分についてはどうすることもできません。
建物自体の造りによって防音性や遮音性、断熱性が異なりますが、特によく確認しておくべきところは耐震性です。
購入しようとしているマンションが1981年以前に建てられた旧耐震基準の建物か、それ以降に建てられた新耐震基準の建物かについては確認しておくようにしましょう。ただし、1981年以前築の中古マンションであっても後から耐震補強工事で新耐震基準を満たしていることもありますので、一概に築年数のみで判断ができないことには注意が必要です。
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中古マンションリフォームの施工事例
ここでは実際に中古マンションをリフォームした事例をご紹介します。
事例① 経年劣化した水回り設備の交換リフォーム
中古マンションを購入後、入居前に経年劣化していた水回り設備を刷新した事例です。
キッチンは壁付けキッチンから対面キッチンに変更することで来客時にもリビング側とコミュニケーションがとりやすくなったほか、お風呂は洗面所からの大きな段差をなくし、古い風呂釜付きのお風呂をユニットバスに交換することでバリアフリーで使いやすくなりました。
このように中古マンションのリフォームでは、家全体ではなく部分的なリフォームをする場合も多いです。部分的なリフォームをする場合は使用頻度の高い水回り設備を交換するのがおすすめです。
■before
■after
物件種別 | マンション |
---|---|
築年数 | ‐ |
施工面積 | 27㎡ |
費用 | 470万円 |
施工期間 | 20日 |
施工箇所 | キッチン、お風呂、洗面所、トイレ |
事例② 夫婦2人の生活に合わせて内装のフルリフォーム
子どもが独立し、夫婦2人暮らしを心地よい時間にするため、マンションの内装フルリフォームを実施。キッチン・お風呂・洗面台などの水回り設備の交換からキッチンスペースの拡充、家全体のクロス・建具の交換などの工事を行いました。
傷と色あせが特に目立っていたLDKのフローリングの貼り替えと家全体のクロスの取り替えを行ったことで清潔感のある明るい空間に生まれ変わりました。
■before
■after
物件種別 | マンション |
---|---|
築年数 | 24年 |
施工面積 | 77.6㎡ |
費用 | 786万円 |
施工期間 | 60日 |
施工箇所 | キッチン、お風呂、洗面所、リビング・ダイニング、廊下 |
事例③ 仕切りのない0LDKにリフォーム
中古マンションを購入してフルリノベーションを実施。扉はトイレ・お風呂、玄関ホールのみに最低限残して他はすべて撤去したことで開放的なワンルームを実現しました。
新築に比べて自由に間取りを決めることができるという中古マンションリフォーム・リノベーションならではメリットを生かしています。また、キッチンは回遊しやすいアイランドキッチンに変更し、スムーズな家事動線を作り、寝室となるスペースは腰壁のみでゆるく仕切り、リビングなどの居住スペースの開放感を損なわないようにしています。
■before
■after
物件種別 | マンション |
---|---|
築年数 | 15年 |
施工面積 | 66㎡ |
費用 | 920万円 |
施工期間 | 60日 |
施工箇所 | キッチン、リビング、トイレ、その他 |
事例④ リモートワーク向けのフルリフォーム
テレワーク空間・居住スペース・収納スペースの3つを両立させたリノベーション事例です。
狭かった玄関を広げてオープンラックを新設したことで外出前後の支度や片付けがスムーズになりました。また、玄関横にあった個室をテレワークスペースとウォーキングクローゼットに変更したことで、仕事に集中できる隠れ家的なスペースへと生まれ変わりました。
■before
■after
物件種別 | マンション |
---|---|
築年数 | 22年 |
施工面積 | 60㎡ |
費用 | 740万円 |
施工期間 | 2ヵ月 |
施工箇所 | フルリノベーション |
事例⑤ 家族それぞれのワークがはかどる家にリフォーム
ご家族それぞれの要望を取り入れ、それぞれが気持ちよく、効率的に生活できるようにフルリノベーションした事例です。
お子さんのリビング学習がしやすいようにリビングスペースにお子さん専用のワークスペースを設置。また、アウトドア用品を収納できる大容量の収納を玄関に新設したことで趣味も気軽に楽しめるようになりました。
■before
■after
物件種別 | マンション |
---|---|
築年数 | 20年 |
施工面積 | 96.09㎡ |
費用 | 1262万円 |
施工期間 | 2ヵ月 |
施工箇所 | フルリノベーション |
事例⑥ 老後に備えて住み替え&バリアフリーリフォーム
老後の生活を考えて、戸建てから駅近の中古マンションに住み替えし、内装のフルリフォームを実施。バリアフリーを意識して、必要な箇所に手すりを設置、和室の段差や敷居を撤去、床をクッション性のある床板に交換し、安全性に配慮した作りとなっています。
また、家のほとんどの窓に内窓を付けることによって断熱性もアップ。家の中の温度差をなくすことで過ごしやすい空間となっています。
■before
■after
物件種別 | マンション |
---|---|
築年数 | 39年 |
施工面積 | 76㎡ |
費用 | 950万円 |
施工期間 | 60日 |
施工箇所 | キッチン、お風呂、トイレ、洗面所、リビング・ダイニング、和室、洋室 |
事例⑦ オーダーメイドのフルリフォーム
築18年の自宅をリゾート感溢れるホテルライクな家にリフォームした事例です。完全オーダーメイドのオリジナルな住宅となっています。
壁付けキッチンはキッチンハウスのフルオーダーキッチンに変更し、大容量のカップボードとそれをすっきり隠すガラス扉を設置。使い勝手の良いスタイリッシュな空間に仕上がっています。
また、リビングに隣接していた洋室をのんびりくつろげる小上がりにしたのもポイントになっています。
■before
■after
物件種別 | マンション |
---|---|
築年数 | 18年 |
施工面積 | 72㎡ |
費用 | 1790万円 |
施工期間 | 2ヵ月半 |
施工箇所 | フルリノベーション |
事例⑧ 趣味を楽しめる暮らしにリフォーム
大きな間取り変更はせずに、これまで暮らしてきた雰囲気や大切な家具を活かせるような温かみのある家にリフォームした事例です。
子どもが独立したことでできた空き部屋をウォークインクローゼットにしたことで家全体の収納力がぐっとUP。家の中で奥様お気に入りのコレクションを飾る「魅せる家具」を設置し、趣味も楽しめる空間になっています。また、築35年の住宅は水回り設備が特に老朽化していたのですべて刷新しています。
■before
■after
物件種別 | マンション |
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築年数 | 35年 |
施工面積 | 71㎡ |
費用 | 870万円 |
施工期間 | 36日 |
施工箇所 | キッチン、お風呂、トイレ、洗面所、リビング・ダイニング、玄関 |
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中古マンションリフォームの費用相場
中古マンションリフォームにかかる費用の相場は以下が目安となります。
工事の内容 | 費用 |
---|---|
フルリフォーム・リノベーション | 300~1,000万円 |
キッチンの入れ替え | 60~300万円 |
お風呂の交換 | 60~150万円 |
トイレ・洗面所の交換 | 20~40万円 |
クロスの張替え | 4~5万円/1部屋(6畳間) |
フローリングの張替え | 10~18万円/1部屋(6畳間) |
フルリフォーム(リノベーション)を行うにしても、やり方によって300~1,000万円と費用が大きく変わってきます。特に費用に大きく影響するのはキッチンのグレードです。多くのキッチンメーカーでは2~3のグレードの商品を展開しており、本体価格だけで100万円以上の差が出ることも。さらにレイアウトを変えたりオプションを付加すれば、追加費用が必要です。
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リフォームすれば安い費用で新築同様のマンションが手に入る
新築マンションを購入しようとしても、価格が高く簡単に購入できない方も決して少なくありません。その場合は、中古のマンションを購入してリフォームすることをおすすめします。
たとえ中古のマンションであっても、リフォームすることにより新築同然の綺麗な内装にすることができます。自分の嗜好に合ったデザインを取り入れることにより満足度を高めることもできます。しかも、中古マンション購入からリフォーム完成まで新築マンションの購入費用よりも安い費用で収めることも可能です。
リフォーム自体バラエティにあふれており、業者と相談しながらさまざまな素材を活用して理想的な自宅に改装することも可能です。今回の記事を参考にして、中古マンションを自分好みにリフォームしてみてはいかがでしょうか。