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キッチンの配管工事とは?配管工事の種類や工事費用の相場・注意点を解説

日々の暮らしではあまり意識することはありませんが、キッチンを快適に使うために配管工事は重要です。
キッチンが耐用年数を迎えたり、キッチンのリフォーム・新設をしたりする場合などにも、配管工事が必要となります。
本記事では、キッチンの配管工事の基礎知識から、工事の費用相場、知っておきたい注意点について解説します。
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目次
配管工事とは?
配管工事は様々な分野で必要とされている工事です。
建設業許可において、配管工事は、「冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、 又は金属性等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事」と定義されています。
本記事では、キッチンの配管工事について、水回りをはじめ、次の3つの配管工事について解説します。
- 給水管・給湯管・排水管
- ガス管
- 排気ダクト(レンジフード)
なお、キッチンの新設や増築などで水道工事が必要となる場合、新しく給水管を引いて設備を増やす工事を行うことは、各自治体の水道局指定業者(指定給水装置工事事業者)でなければできません。
指定業者は、水道法第25条の3第1項で定められた基準に達しているため、工事の依頼に際して一定の信頼性があります。
参考:厚生労働省「給水装置工事事業者の指定制度」
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キッチンの水道の配管は3種類
キッチンの水道の配管には、大きく次の3種類があります。
- 給水管
- 給湯管
- 排水管
配管の耐用年数は素材にもよりますが、15年から25年程度が目安です。
以下では、それぞれの配管の基礎知識と機能を解説していきます。
給水管
給水管とは各家庭に上水を届ける水道管・宅内配管のことです。
キッチンの給水管はシンクと接続され、多くの場合、シンク下のキャビネットを通っています。また、食洗機がある場合には、食洗機とも接続されています。
なお、給水管は一次側と二次側に分けられており、地域にもよりますが、配水管から水道メーターまでの一次側は水道局・水道事業所の管轄部分であり、水道メーターから蛇口までの二次側は建主の責任部分です。
給湯管
給湯管は、給湯設備からキッチンやお風呂などにお湯を供給する管のことです。
給湯管は古いものでは銅が使われていることが多いため、築年数や耐用年数が経過していると、腐食や老朽化などにより水漏れが発生しやすくなります。
サビや鉄のにおいなどが混じっている場合には、老朽化の兆候のため、腐食しにくい素材の給湯管に交換することをおすすめします。
排水管
排水管とは建物内及び敷地内において汚水・雨水などを排除するために、下水道へ流す管のことです。
キッチンの排水管はシンクと接続されており、シンク下のキャビネットにある場合が多くなっています。
キッチンの排水管は、食材の残りカスや、油汚れ、固形物などによって「つまり」が起きやすい箇所です。
老朽化してくると、悪臭や排水が流れにくいなどの不具合の原因となるため、業者に依頼して早めに交換しましょう。
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キッチンのガスの配管
キッチンでは、ガスコンロやグリル、ビルトインオーブンなどにガスを供給するために、ガスの配管が必要となります。
キッチンのガス設備が20年以上を経過している場合には、ガス管も寿命を迎えているため、改修のための配管工事を早めに行いましょう。
なお、システムキッチンの場合、造り付けのコンロ(ビルトインコンロ)の取り外しや接続は、有資格者でなければ施工できないため、配管工事をガス会社や専門業者に依頼する必要があるので注意が必要です。
工事費用も、自力で取り外しのできるテーブルコンロに比べると高額になります。
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キッチンの排気ダクトの配管
キッチンでは、換気扇やレンジフードから排気をするために、排気ダクトの配管が必要となります。
一般的にはアルミやスチール素材の配管が使われることが多くなっています。
なお、コンロによる火災は住宅火災の原因の第1位となっているため、消防法や火災予防条例により、レンジフードとコンロの距離や、排気ダクトの形状などについて規制があります。
たとえば東京都では、火災予防条例の定めにより、ジャバラの形状のダクト(ジャバラダクト)は使用規制の方向となっています。
参考:東京消防庁「キッチンまわりの豆知識」
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配管設置の方法は壁・床の2種類
宅内の配管工事の方法には、壁の中に配管を通す方法と、床下に配管を通す方法の2種類があります。
以下、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
壁に配管を設置するメリット・デメリット
壁に給排水管などの配管を設置すると、配管の大部分が壁の内部に収まるため、見た目がスッキリするメリットがあります。
また、キッチンの場合、シンク下やコンロ下などのキャビネットにスペースを多く取ることができるため、収納スペースも確保できます。
キャビネット内に配管がないことから、掃除がしやすい利点もあります。
一方のデメリットは、リフォームなどで新たに配管工事を行う際に、壁も工事をしなければならなくなるため、床下の配管よりも工事費用が高くなる傾向にあります。
また、水道の供給をコントロールする元栓部分も壁の中にある場合が多いため、水量を調節できず、詰まりやすくなる可能性もあります。
床に配管を設置するメリット・デメリット
床下に配管を設置すると、床下のスペースを活用して配管工事を行うため、壁式よりもスペースを取れることから、配管の大きさや勾配の自由度が高まり、排水しやすくできることがメリットです。
工事も壁式に比べると簡単で、費用も安い傾向にあります。
一方、デメリットとしては、キッチンの場合はキャビネットの中を配管が通るため、収納スペースが少なくなり、掃除などの手入れもしにくくなる点が挙げられます。
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配管工事にかかる費用相場
配管の工事費用は、工事の範囲や、壁式・床式のどちらかなどによっても変化します。
また、配管工事には次の3種類があり、それぞれの費用相場は下記の通りです。
- 配管を交換する工事
- 配管を新規移設する工事
- 配管の高圧洗浄などメンテナンス工事
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
配管を交換 | 1万円〜50万円程度 |
・給水管を部分的に交換 | 1万円程度 |
・給水管全体を交換 | 15万円~20万円程度 |
・排水管を部分的に交換 | 1.5万円程度 |
・排水管全体を交換 | 20万円~30万円程度 |
・給水管と排水管を両方交換 | 25万円~50万円程度 |
配管を新規移設 | 10万円~100万円程度 |
配管の高圧洗浄 | 1万円~4万円程度 |
配管を新規移設する場合に価格の幅が大きくなっているのは、部屋の間取り変更などを伴う場合や増築する場合に高額となることが理由です。
システムキッチンの配管工事と費用相場
システムキッチンにリフォームする場合の配管工事では、新しいキッチンの配管位置に合わせて、2つの工事を行います。
給水・排水の配管を新しく引き直す「給排水仕込み工事」と、システムキッチンを組み立てた後に、これらの配管を接続する「給排水接続工事」です。
給排水の配管工事費用の一般的な費用は3万円〜10万円程度ですが、接続しにくい場所への配管工事の場合、さらに費用がかかることもあります。
業者によって判断が変わる場合もあるので、できれば複数の業者から見積もりを取り寄せて比較検討することをおすすめします。
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配管工事を業者に依頼する際の2つのポイント
毎日使うキッチンの配管工事は、大切な基礎工事のため、優良業者に適切な価格で依頼することが大切です。
業者に依頼するときのポイントには、次の2点が挙げられます。
- 相見積もりを取り複数の業者を検討する
- 水回りの設備のリフォームも検討する
以下、それぞれ解説します。
相見積もりを取り複数の業者を検討する
キッチンの配管工事の費用は、上述のように工事内容や施工範囲によって変動します。
また、業者によっても判断や費用が異なるため、複数の業者に相見積もりを依頼して、納得のいく価格と、ご自身に合った対応をしてくれる業者を比較検討して選びましょう。
特に、配管を新規に引き込む工事や移設する工事は費用が高額になり、業者によって工事内容や見積金額に幅が出やすいため、相見積もりを取ることが効果的です。
水回りの設備のリフォームも検討する
キッチンの配管工事を行う際には、水回りの設備もあわせてリフォームすることを検討してはいかがでしょうか。
配管工事のときには、壁や床を解体して原状回復をすることから、水回りの設備も一緒にリフォームしてしまえば一度で済むため、後の工事費用を抑えることにつながります。
同時にリフォームすることで、業者が割引を行ってくれることもあります。
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配管工事を行う前に知っておきたい注意点
最後に、キッチンの配管工事を行う前に知っておきたい注意点を解説します。
特にマンションにお住まいの方は下記の点についてご注意ください。
- マンションは工事ができるか管理規約を確認
- 直床か二重床かを確認する
それぞれ詳しく解説します。
マンションは工事ができるか管理規約を確認
マンションでキッチンの配管工事をする場合、リフォームができるのは専有部分の配管のみです。
また、専有部分でも共有配管の部分は工事が認められていないなど、できない工事もあるため、マンションの住戸の場合には事前に管理規約を確認しておくようにしましょう。
なお、工事の際には騒音トラブルなどを防ぐために、上下左右の部屋に住んでいる隣人に事前に挨拶しておくことをおすすめします。
直床か二重床かを確認する
マンションの床には直床(じかゆか)と二重床の2種類があり、二重床の場合には配管工事が比較的容易です。
コンクリートの上に直接床材を張りつけている直床は、古いマンションに一般的なタイプで、工事の際にはコンクリート部分を壊す必要があることから、工事の難易度が高く、費用も高額になります。
また、そもそも直床のマンションは工事ができないケースもあるため注意が必要です。
一方、二重床は、躯体の上に一定のスペースを設けて床を作っているため、比較的スムーズに配管工事を行うことができます。
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配管工事は水回りの工事実績が豊富な業者に依頼しよう
本記事では、キッチンの配管の基礎知識から、配管工事の費用相場、注意点について解説しました。
キッチンの配管には、給水管・給湯管・排水管、ガス管、排気ダクトなどの種類があり、設置方式も、壁に付けるタイプや、床下に設置するタイプがあります。
また、配管工事の種類には、配管の交換・新規移設・メンテナンスの3種類があります。
工事を行う際には、業者によって費用が異なるため、複数の業者から相見積もりを取り寄せたり、同時に水回りのリフォームも検討したりして費用を抑えることがおすすめです。
なお、キッチンの配管工事などのリフォームに関して、業者選びでお悩みの方はぜひ「リフォスム」もご利用されてはいかがでしょうか。全国の中からあなたの地域に近く、条件の揃った業者をご提案いたします。ネットで見積もりを取り寄せられるので、ぜひお気軽にご活用ください。