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キッチン・台所の床の張り替えリフォーム費用は?床材の種類・選び方・施工事例
キッチンの床は水分や油分が付着しやすく、劣化が進みやすい場所です。また床材ごとに特徴や価格も異なるため、目的や用途に合わせた適切な素材選びが大切になります。
本記事では、キッチンの床材各種のメリット・デメリット、床材の選び方、張り替えリフォームにかかる費用、実際の施工事例などを解説します。
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目次
キッチン床の張り替えに使う床材
キッチンの床の張り替えリフォームで使われる6種類の床材は、それぞれの特徴をまとめると以下の表のようになります。
床材 | メンテナンス | 耐久性 | 耐水性 | 耐熱性 | 足ざわり |
---|---|---|---|---|---|
フローリング(無垢) | △ | △ | △ | △ | ◎ |
フローリング(複合) | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
タイル | △ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
フロアタイル | ◎ | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
クッションフロア | 〇 | △ | ◎ | △ | ◎ |
フロアシート | 〇 | △ | 〇 | △ | 〇 |
コルクタイル | 〇 | △ | △ | △ | ◎ |
各床材の特徴とメリット・デメリットを詳しく解説します。
フローリング
フローリングは住宅の床材として最も一般的な素材で、キッチン以外に廊下や洋室でもよく使われています。家全体の床をフローリングに統一すると、見た目も美しくなり、部屋が広く見える効果もあります。
フローリングには、無垢フローリングと複合フローリングの2種類があり、どちらを選ぶかによって価格や機能性も異なります。
無垢材フローリング
無垢フローリングは天然の木材を使用しており、木の温もりや自然な風合いが感じられるほか、経年変化による味わいを楽しめる素材です。
自然な感触とクッション性があるため足が疲れにくいメリットがある一方、汚れや傷に弱く、断熱性にも乏しいデメリットもあります。また、他の素材と比べると高額で、メンテナンスにも手間がかかる点に注意が必要です。
複合フローリング
複合フローリングは、合板の表面に天然の木材や樹脂を張り合わせたものです。一般的にフローリングといえば複合フローリングを指すことが多く、大量生産が可能なため価格も無垢フローリングより安価です。
表面の加工によって耐水性や耐久性を高めている床材もあり、汚れがつきやすいキッチンにも適した素材です。ただし天然の木材の風合いはあまりなく、経年劣化により傷みが進む床材でもあります。
タイル
タイルはデザイン性と耐久性に優れた床材です。タイル自体は汚れに強く傷もつきにくいため、食器や調理器具などの硬いものを落としても割れにくい性質があります。
個性あるデザインのタイルを使用することで、他にはない雰囲気のキッチンを実現することも可能です。
ただしタイルとタイルの隙間を埋める目地の部分は汚れが溜まりやすいため、こまめな手入れが必要となる点がデメリットです。
また、タイルは陶磁器でできているため保温性はなく、ひんやりとした冷たい感触になります。夏は涼しく足に心地の良い感触となりますが、冬場は足元が冷えるためカーペットを敷くなどの対策が必要です。関連して、陶磁器のタイルをキッチンに敷き詰めるには高額な費用が必要となる点にも注意が必要です。
フロアタイル
フロアタイルとは、塩化ビニール素材を使用したタイル状の床材です。陶磁器のタイルと比較すると、安価に入手できるほか、冬場でも冷たくなりにくいメリットがあります。
大理石調やフローリング風など、カラーやデザインのバリエーションも豊富なため、キッチンの雰囲気に合わせて選ぶことができます。
塩化ビニール素材のため耐水性も高く汚れに強い性質がありますが、目地から水が染み込むと下地や床材を傷める原因となるため注意が必要です。
また、後述するクッションフロアとは異なり、フロアタイルにはクッション性がないため足が疲れやすいデメリットもあります。
クッションフロア
クッションフロアは、柔らかく弾力性がある床材で、足が疲れにくく食器を落としても割れにくい特徴があります。足音の軽減にもつながるため、マンションの床材にも適しています。
フロアタイルと同様に塩化ビニール素材を原料としていて、価格は床材の中でも控えめで経済的です。また、カラーやデザインの種類も豊富で、防水性にも優れています。
一方で、やわらかいため家具の跡が残りやすく、模様替えの際などに凹んだ部分が目立ってしまうこともあります。また、塩化ビニール素材のため耐熱性が低く、熱した食材や鍋などを落とすと傷みやすいこともデメリットです。
フロアシート
フロアシートは、床全体を一枚のシートで覆う床材です。DIYに使用されることも多く、広い面積を目地なしでカバーできる特徴があります。
他の床材に比べて安価なため、費用を抑えてキッチンの床を張り替えたい方にも適しています。
表面の加工によってはエンボス加工が施されている商品もあり、滑りにくく安全性を高めた床にリフォームすることもできます。シートのデザインも豊富ですが、材質によっては安っぽく感じられてしまうこともあるため、美観を重視する方には不向きでしょう。
コルクタイル
コルクタイルは弾力性と保温性、自然な風合いのある、デザイン性に優れた床材です。天然素材を使用しているため、無垢フローリングと同様に手入れに注意が必要ですが、足腰への負担が少なく食器を落としても割れにくいうえ、静音性も備えています。
天然素材ならではの断熱性があるため、冬場でも心地よく使えることもメリットです。
一方でコルクは紫外線に弱い性質があるため、日差しを浴び続けると変色を起こすことがあります。日当たりの良いキッチンの場合は、クッションフロアや無垢フローリングなど別の素材の方がおすすめです。
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キッチン床の張り替えに使う床材の選び方
キッチンの床の張り替えにどの床材を選ぶかは、床材に求める機能や予算によって変わります。ここでは選ぶ際の4つのポイントを紹介します。
- 撥水性・耐油性の高さで選ぶ
- 滑りにくさで選ぶ
- 予算で選ぶ
- LDK全体のデザインで選ぶ
それぞれ解説していきます。
撥水性・耐油性の高さで選ぶ
キッチンでは水分や油分が床に落ちることが多いため、水を弾く素材や油が染み込まない素材を選ぶと掃除がしやすくなります。
塩化ビニール素材は防水性が高く掃除がしやすい傾向にありますが、フロアタイルなどは目地の隙間から水が染み込むこともあるため注意が必要です。
滑りにくさで選ぶ
刃物や火を扱うキッチンでは、安全性の観点から、滑りやすく転倒や事故の原因となりやすい床材は避けましょう。
光沢があり表面がツルツルした複合フローリングやタイルは、見た目の美しさはありますが、逆に滑りやすいためキッチンには適していません。家全体のバランスを考え、表面が滑りやすい床材を採用する場合には、キッチンマットを敷くなどの工夫をしましょう。
また、表面にエンボス加工が施された床材は、滑り止め効果は高まりますが凹凸の隙間に汚れがたまる原因となるため、加工が強すぎないものを選ぶようにしましょう。
予算で選ぶ
予算が限られている場合には、コストの点から床材を選ぶことも大切です。
本記事で紹介した床材の中で、最もコストを抑えられるのはフロアシート、次いでクッションフロアとなっています。
いずれも塩化ビニール素材を使用しているため耐久性・耐熱性は同程度ですが、足腰への負担や足音を軽減できるクッションフロアの方が、コストと機能性のバランスが取れている点からおすすめです。
LDK全体のデザインで選ぶ
キッチンのみの床の張り替えリフォームを行う場合には、LDKや廊下、他の部屋の印象も含めた全体的なコーディネートを考慮して床材を選びましょう。
キッチン本体や壁紙・天井のクロスの色、家具・家電の色などに合わせた配色で床材を選ぶこともポイントです。
クッションフロアをはじめ、カラーやデザインが豊富に用意された床材もあるので、LDK全体の統一感や雰囲気に合わせて選ぶことも可能です。
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キッチン床の張り替えリフォームにかかる費用相場
キッチンの床の張り替えリフォームの費用相場は、各素材で以下のようになっています。
床材 | 費用相場(4畳) |
---|---|
フローリング(無垢フローリング) | 13万円~22万円 |
フローリング(複合フローリング) | 5万円~14万円 |
タイル | 16万円~21万円 |
フロアタイル | 5万円~10万円 |
クッションフロア | 3万円~8万円 |
フロアシート | 2万円~7万円 |
コルクタイル | 8万円~13万円 |
リフォーム費用が最も高額になるのは、無垢材を使ったフローリングです。天然素材を使用する床材のため、風合いや肌触りが良い一方で、コストがかかってしまう点がデメリットといえます。
一方、クッションフロアやフロアシートなどの床材は、塩化ビニール素材を使用しているため低コストで生産できることから、リフォーム費用も安価に抑えられます。
各床材の特徴とメリット・デメリットについては、以下で解説します。
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キッチン床の張り替えをした事例
実際にキッチンの床の張り替えをしたリフォーム事例を4つご紹介します。
ひと口に床の張り替えと言っても、現在の劣化状況や工事内容によって、費用や期間は大きく変わります。希望するリフォームのイメージを固めるための参考としてください。
事例①お手頃なクッションフロアで床を張り替え
サンゲツのクッションフロアを使って、キッチンの床を張り替えた事例です。
費用は5万円、工事期間は半日となりました。
Point
- 特にこだわりが無ければクッションフロアがおすすめ
クッションフロアはビニール系の材質で水や汚れに強いため、キッチンの床にぴったり。施工が比較的簡単なので、キッチンであれば最短半日で工事が完了します。また、本体価格が安いのでリフォーム費用を抑えやすいことも嬉しいポイントです。
事例②ダイニングを傷のつきにくい床に張り替え
ダイニングキッチンの床をDAIKENのハピアフロアに張り替えた事例です。
費用は25万円、工事期間は2日となりました。
Point
- ダイニングには傷のつきにくい床材がおすすめ
こちらの事例ではDAIKENのハピアフロアを採用。独自の表面加工により傷やヘコミに強いため、椅子を引いたり、キャスターワゴンを使うことの多いダイニングでも安心です。車いすを使用する方や、ペットがいる住宅にも向いています。
事例③上張り工法で手軽に床をリフォーム
既存の床に、上張り工法でフローリングを施工した事例です。
費用は47万円、工事期間は3日となりました。
Point
- 上張り工法なら廃材が出ない&費用を抑えやすい
よほどの劣化状況でなければ、既存の床の上から下地補強をして、上張り工法で床を一新することもできます。手軽に床をリフォームしたい方は、上張り工法ができないかを業者に聞いてみると良いでしょう。
事例④水漏れした床の張り替え+配管修理
水漏れによりたわんだ床の張り替え、ならびに配管修理を行った事例です。
費用は合わせて62万円、工事期間は7日となりました。
Point
- 水漏れが疑われる時は早めの対処を!
床にぶよぶよとした感触があったり、たわみが見られる場合はキッチンからの水漏れの可能性があります。放置すると住宅にダメージを与えてしまう他、マンションでは階下の住人にも迷惑がかかってしまうかもしれません。早めの対処をおすすめします。
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キッチン床の張り替えは床材ごとの特徴を踏まえて検討を
キッチンの床の張り替えリフォームの際には、床材ごとの価格や特徴を知り、ご自身の予算や求める機能性に合ったものを選ぶことが大切です。
撥水性や耐油性、滑りにくさなど、キッチンに適している性質も床材によって異なるため、不安な方はリフォーム会社と相談しながら良い選択肢を考えましょう。
なお、キッチンの張り替えを依頼するリフォーム会社選びには「リフォスム」がおすすめです。リフォスムでは、最大4社からご自身に合ったリフォームプランの提案を受けることができます。
リフォーム会社の評価・レビューを参考に、失敗しないリフォームのパートナー選びができるので、是非使ってみてください。