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【決定版】2階にお風呂は後悔する?設置するメリットやデメリット、費用を紹介!

都心部など狭小地の一戸建ては、2階建て以上が大半です。一戸建てを購入するときや、リフォームするとき、家族構成やライフスタイルによってはお風呂を2階に設置することを検討する方もいるのではないでしょうか。
2階にお風呂を設置するメリットに反して、多くのデメリットがあることをご存じでしょうか。デメリットを十分に理解せず2階にお風呂を設置してしまい、後悔しているという声もあります。
ここでは、2階にお風呂を設置した場合のメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
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目次
設置して良かった! 2階お風呂のメリット
費用面を鑑みると、通常であればお風呂はほとんどの場合、1階に設置されます。
しかし、費用をかけてでも、あえて2階にお風呂を設置することには5つのメリットがあります。
それぞれのメリットでどんな問題を解決できるのか解説します。
その1:1階のスペースが増える
お風呂を2階に設置することで、1階の間取りに余裕が生まれます。
お風呂で使われる広さは、約1坪(3.3㎡)から1.5坪(4.9㎡)です。
洗面所も同様に1坪(3.3㎡)を使用するのであれば、合わせて2坪(6.6㎡)のスペースが生まれます。
2坪(6.6㎡)あればウォークインクローゼットにしたり、書斎を設けることが可能です。
その他、家族の集まる場所となるリビングを広げて充実させることもできます。
1階にお風呂を設置すると、プライバシーの観点から場所が限られます。
また、お風呂の場所が限定されると間取りも制限されてるため、2階にお風呂を設置することで自由度の高い間取りを実現できます。
その2:1階の生活感が見えにくい
2階にお風呂を設置することで、生活感を隠せます。
モダンでおしゃれな家でも、洗濯物が見えるだけで一気に生活感が出てしまいます。
特にお風呂、洗面所など水回りは生活感が溢れやすい場所です。
玄関周りやリビングをおしゃれにしていても、生活感を隠しきれないお風呂や洗面所が見えてしまうのは残念です。
お風呂を2階にもっていくことで、プライベートな部分を来客者に見られることがなくなります。
来客者が多い家庭であれば、2階にお風呂を設置して生活感を見えなくすることは大きなメリットです。
その3:洗濯が楽になる
洗濯物を干す場所は、ほとんどの場合2階のバルコニーです。
2階にお風呂と洗面所があれば、洗濯機が置かれる洗面所からバルコニーまでの導線がスムーズになり、洗濯物を運ぶ手間が省けて家事の効率が良くなります。
また、洗濯物を持ちながら階段をあがるのは危険です。
特に高齢になると、洗濯物を持って階段を昇り降りするのは怪我のリスクを伴います。
2階にお風呂を設置すると、安全面からも大きなメリットが得られます。
その4:寝室への行き来が楽になる
子どもをお風呂に入れて、あがってきたとき寝室まで近ければいいなと思う方は多いのではないでしょうか。2階にお風呂と寝室を設置した場合、子育て世帯にとっては育児がスムーズになるメリットがあります。
子どもをお風呂に入れて寝室まで近ければ、湯冷めをさせることがなくなります。
また、小さなお子様が階段を降りるとなると目が離せませんが、同一階でお風呂から寝室へ移動するだけなら安心です。
特にお子様が2人以上であれば、目の行き届かないところも出てきます。
子どもがいるご家庭は、できる限り安全が確保された間取りをおすすめします。
その5:浸水時のリスクが小さい
2階にお風呂があることで、浸水のリスクを低減できるでしょう。
近年、異常気象によって予期せぬ大雨に襲われる事例が増えています。
大雨により自宅が浸水してしまうと、1階にある設備は全て使えなくなるのです。
浸水時でも2階にお風呂があれば、非常時のために水を貯めておけます。
2階にお風呂がある方が、浸水時のリスクも減らせます。
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後悔する? 2階お風呂のデメリットと解決方法
2階にお風呂を設置する場合はメリットだけでなく、デメリットも必ず考えておきましょう。
デメリットを知らずに2階にお風呂を設置してしまっても、もとに戻すことはできません。
ここでは、2階にお風呂を設置する主なデメリットを5つ紹介します。
その1:1階に入浴時の音が響く
お風呂を使用したときの流水音は、想像以上に響いて聞こえてきます。
2階にお風呂を設置すると、2階から1階へ排水管を配管する必要が生じるのです。
配管は1階の天井裏を通って1階の排水管に繋げるため、1階の部屋ではお風呂から流れた水の音が聞こえてきます。
加えて、浴槽に水を貯めるときの音や、浴室を使用するときの音も響きやすいので、1階の部屋には浴室使用時の音が響いてくるのです。
1階に寝室がある場合は、2階で浴室を使用する時間を気にしなければならないでしょう。
その2:シャワーの水圧が弱い
2階にお風呂を設置したとき、シャワーの水圧が弱まる場合があります。
シャワーの水圧が弱まるのは、2階まで水を送るために生じる水圧不足によるものです。
特にもともと水圧が弱い地域の場合は、2階にお風呂を設置してしまうと水圧不足に悩まされます。
水圧を高めるために圧力ポンプを取り付けるなど解決方法はありますが、余分な費用がかかります。
その3:水漏れに注意が必要
2階にお風呂があると、万が一水漏れした場合に1階の居室が漏水被害にあいます。
例えば、配管の継ぎ目は年数とともに劣化していきます。
劣化により生じてしまう漏水は予測できませんので、定期的に点検しなければいけません。
その他に水の止め忘れや配管の詰まりにより、浴室を超えて水が溢れて下階に漏水する場合もあります。
また、給排水配管の破損が原因で漏水してしまえば、修復するために多額の費用が必要となります。
その4:小さいお子様の子育てが大変
小さな子どもをお風呂に入れるのは時間と労力のかかる大変な家事です。
2階にお風呂があり、リビングやダイニングなどの主な生活空間が1階にあると、小さなお子様を連れての移動が大変です。
子どもを抱きかかえた状態で階段の上り下りなど、大変危険が生じます。
子どもも素直にお風呂に入ってくれる毎日ばかりではありません。
2人以上のお子様を育てられているご家庭もあります。
1人にかまっている間に、他の子どもに目の行き届かないこともあるでしょう。
できる限り、目の行き届く範囲で安全な導線が望ましいのです。
その5:将来的に負担が大きくなる
年齢を重ねるとともに、2階のスペースへ登ることが億劫になります。
また、2階までの階段で転倒するなど危険も大きいのです。
2階にお風呂を作ってしまうと入浴時に階段を登らざるを得ないため得ないので、将来的に大きな負担がのしかかってきます。
また親や伴侶の介護が必要になったときも、2階にお風呂があると入浴させられない可能性もでてきます。
2階にお風呂を設置するリスクとして大きな要因でしょう。
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2階にお風呂を増設リフォームできる?
2階にお風呂を増設リフォームすることは可能です。ただし、2階に水回りがない中での増設リフォームはかなり高額になるでしょう。
なぜなら、給水管、給湯管、排水管などを分岐し配管しなければならないからです。その際、住戸内での配管が難しければ外壁沿いに配管する必要があります。
外壁沿いに配管する場合は仮設足場が必要になり、さらに余分な費用が掛かります。
また、2階にお風呂を増設するには構造的な補強も必要です。お風呂は浴槽に水をはると、約200キログラムから300キログラムになります。
水の重みに耐える構造でなければ、お風呂を2階に設置することは出来ません。家屋によっては、1階部分の構造を補強できるような状態にする必要があります。
増設リフォームにかかる費用
2階にお風呂を増設する場合にかかる費用について解説します。
- 給排水配管の分岐及び移設:20万円から80万円
- ユニットバス本体の組立:50万円から150万円
- 増設部分の壁、屋根の新設:80万円から200万円
- 1階部分の構造体の補強: 20万円から200万円
- 工事を行うための仮設足場:15万円から30万円
2階に水回りがない場合、給排水配管の分岐および移設にかかる費用は20万円~80万円程度です。1階からの配管を分岐するとなると、配管経路を確保するために1階の天井材を剥がす必要も生じてきます。
設置するユニットバス本体の価格は50万円~150万円と、グレードにより大きく変動します。2階用という決まりはありませんが、水漏れを防止できる防水パン一体型のユニットバスを選ぶことをおすすめします。
増設部分の壁や屋根の新設はいわゆる増築になります。2階の増築は工事が難しく効率が悪いことから費用が高くなりがちです。
費用相場は80万円~200万円ですが、屋根や壁に使用する材料によってはさらに高額になる場合もあります。
1階部分の構造体の補強は20万円~200万円と幅広く、既存の構造により異なります。例えばRC造であれば、補強が不要な場合もあります。
木造の旧耐震基準の建物であれば必ず補強が必要であるため、構造計算を依頼し適切な補強を行いましょう。
これらの工事を行うために、仮設足場も必要となります。
仮設足場の設置費用は立地によってさまざまで目安は15万円~30万円です。
その他、構造計算を行う費用や、建築確認申請の費用も必要となる場合があります。
補助金を活用できるケースも
2階にお風呂を増設リフォームする場合、国や地方自治体の補助金を活用できるケースがあります。
近年では断熱リフォームや省エネリフォームなど環境改善に重きを置いたリフォームに補助金が使われているのです。住んでいる場所やリフォームの内容によって補助金は異なるため、必ず事前に確認しましょう。
また、リフォームに関する補助金は国や自治体の予算が上限になると募集終了となります。年度替わり時に確認して、早めに申し込んでください。
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2階にお風呂を増設する場合は耐震性に注意
2階にお風呂を増設する場合、構造的な補強が必要であることは前述した通りですが、耐震性の観点からも注意してください。
特に1981年5月31日までの建築確認で建てられた建物であれば、適用されていた基準が「旧耐震基準」となります。
「旧耐震基準」は震度5強レベルの揺れでも建物が倒壊せず、仮に建物が破損したとしても補修する事で生活可能となる構造基準として設定されているため、安易にリフォームすることはできません。
2階にお風呂を増設する場合は築年数を確認しましょう。
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2階にお風呂が向いている間取り
リフォームで2階にお風呂を設置する場合、向いている間取りと向いていない間取りがあります。
ここでは、2階にお風呂を増設することに向いている間取りについて考えていきます。
その1:2階に寝室がある場合
2階に寝室がある場合に、2階にお風呂を増設すると寝室までの距離が近くなります。
寝室までの距離が近くなれば、お風呂に入ってすぐに寝室に向かうことができます。
お風呂上りに寝室でボディケアやヘアケアを行う方は、お風呂と寝室が同じフロアにあれば時間を効率的に活用できます。
また、子どもがいる家庭は、お風呂から寝室にすぐ行けるようになると、子どもを湯冷めさせずに寝付かせることができます。
その2:ベランダに洗濯物を干す場合
2階のベランダに洗濯物を干す場合、2階にお風呂と脱衣場があることで家事の効率が上がります。
洗濯機からベランダまでの動線が短くなることで作業時間を短縮できるのです。
また、洗濯物を持って階段を登ることがなくなりますので、子どものお手伝いとしても安心して任せられます。
その3:お風呂の窓を大きくしたい場合
解放感あふれるお風呂にするためには、窓を大きくする必要があります。
ただし、プライバシー保護や防犯の観点からお風呂の窓を大きくすることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。
2階にお風呂を作ることでプライバシー面と防犯面が担保できるうえ、窓に面格子を取り付ける必要もなくなるのです。
また、2階のお風呂は隣接する住戸から距離が取れるため、プライバシーを保護しやすくなります。
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まとめ
ここまで、2階にお風呂を設置した場合のメリットとデメリットについて解説してきました。2階にお風呂を設置するメリットはもちろんありますが、デメリットも多いのが実態です。
お年寄り世帯から、「2階は全く使わなくなった。」という話をよく耳にします。
なぜなら、2階に上がることに大きな危険が伴うからです。
特にお風呂あがりなど足元が滑りやすいため、通常以上に注意が必要となります。
2階にお風呂を設置するには高額な費用が必要です。
2階にお風呂が設置されているモデルルームを見学したり、実際に2階にお風呂を設置している方の話を聞いたりなど、十分に検討してください。
2階にお風呂を設置することで解決したい問題の解決策が他にないかも調べてみましょう。