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追い焚き機能は後付けできる?費用や設置が出来ない場合も解説

お風呂の追い焚き機能は、浴槽のお湯を温め直せる便利な機能です。
入浴するタイミングが別々の夫婦や家族にとっては重宝する機能のため、自宅にない場合は後付けを検討する方も多いでしょう。
本記事では、お風呂の追い焚き機能を後付けするメリット・デメリットと必要な費用、工事が不要な簡易追い焚き機について解説します。
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目次
お風呂の追い焚きは後付けできる?

まず最初に、追い焚きが後付け設置可能か?という疑問にお答えします。
追い焚き機を後付けできる場合
持ち家のお風呂では、追い焚き機能の後付けが可能なことが多いです。
給湯器の交換のみで設置できるケースもあれば、配管工事と給湯器の交換が必要になるケース、浴槽自体の交換が必要となるケースもあります。
いずれの場合もリフォームによって後付けはできますが、必要な工事内容や費用は浴室の条件によって異なります。
追い焚きの後付け工事の注意点
追い焚き機能を後付けするためには、給湯器の交換と配管工事が必要になります。新築で新しい給湯器を使っている場合でも、追い焚き機能を後付けする場合には、追い焚きに対応した給湯器に入れ替える必要があるため注意が必要です。
給湯器は10年程度が寿命とされているため、交換の時期が近い場合には、交換時に追い焚き機能を追加しても良いでしょう。
また、穴が開いていないタイプの浴槽を使っている場合は、浴槽に穴をあけて、給湯器につなげる配管工事が必要となります。ホーロー製の浴槽などは穴をあける工事が難しく、対応しているリフォーム業者も少なくなります。
追い焚き機を後付けできない場合
追い焚き機能は1980年代後半に普及したため、築年数の古い賃貸物件では付いていない場合が多いです。
賃貸物件の浴室の壁に穴を開けるような場合は、許可を得てから工事を行わないとトラブルを招いていしまいます。
また、マンションによっては給湯器の指定があり、変更は認められないケースがあります。
追い焚きの仕組みとは?
お風呂の追い焚き機能とは、浴槽のお湯を、ガスを使って温め直す機能のことです。その仕組みはシンプルで、浴槽からぬるくなったお湯を給湯器に吸い込んで温めた後、再び浴槽に戻すシステムです。
追い焚き機能は、水の吸い上げ方法によって以下の2種類に分けられます。
- ポンプ循環式(強制循環式)
- 自然循環式
また、「オート(自動)」と「フルオート(全自動)」の機能もそれぞれにあるため、以下で詳しく解説します。
ポンプ循環式(強制循環式)
ポンプ循環式は「強制循環式」とも呼ばれ、浴槽の穴が1箇所だけという特徴があります。給水・排水を1つの穴で行うため、汚れが溜まりにくいメリットがあります。
また、浴槽のお湯を強制的に対流させるため、お湯全体がムラなく温まることも利点です。工事の手間も自然循環式に比べて少なく、近年はポンプ循環式が主流となっています。
自然循環式
自然循環式は、浴槽の穴が2箇所空いていることが特徴です。縦に並んだ2つの穴のうち、下から水を吸い上げて、温めたお湯を上から排出する仕組みです。
温度が低い水は下に沈むという性質を利用した追い焚き機能で、浴槽のお湯を自然に循環させることから、下の方が冷たく、上の方が暖かくなりやすいという、温度のムラが生じます。
また、汚れが溜まりやすく、こまめな手入れが必要なことから、最近では減りつつあります。
「オート(自動)」と「フルオート(全自動)」機能
お風呂の追い焚き機能には「オート」と「フルオート」の、2つの機能性におけるグレードもあります。
オートは追い焚き機能と、足し湯や温度調整などの最低限の機能を備えたタイプで、フルオートはさらに、自動で湯量を感知して足し湯を行い、配管洗浄もしてくれるなどの機能を備えています。
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お風呂の追い焚き機能を後付けするメリット
お風呂に追い焚き機能を追加するメリットは以下の4つです。
- 節水効果がある
- 時短になる
- 家族が多くても快適に入浴できる
- 半身浴や長風呂を楽しめる
それぞれ解説します。
節水効果がある
追い焚き機能があると、冷めたお湯を温め直せるため、お湯を抜いて張り直す回数を抑えることができます。また、ぬるくなっても温められることで、冬場の長湯も楽しめます。
何度もお湯を張りなおす場合に比べると、お湯を繰り返し使えるため、ガス代・水道代を節約できることがメリットです。
時短になる
浴槽の水を抜いてから新しいお湯を張る場合に比べ、追い焚き機能を使うと、お湯を張る分の時間を短縮できるメリットがあります。
冷え切った水を温め直すためには相応の時間がかかりますが、ぬるくなったお湯を最適温度まで上げる場合には、追い焚きの方が素早く温め直せます。
たとえば冬場の寒い時期に、前の人が入ってぬるくなった後、すぐに温かい湯船に浸かりたい場合などは重宝するでしょう。
家族が多くても快適に入浴できる
追い焚き機能を後付けすることで、家族全員が快適な温度で入浴できるメリットも生じます。小さなお子さんや高齢の家族がいる場合、各自の快適な温度が異なる場合も少なくありません。
追い焚き機能があるお風呂では、お湯の温度を設定できるため、入浴前に最適な温度に調節することが可能です。
また、家族ひとりひとりの入浴時間がずれる場合にも、追い焚き機能があれば無駄なく温め直して入浴できるメリットもあります。
半身浴や長風呂を楽しめる
半身浴や長風呂を好む方にとっても、追い焚き機能のメリットは大きいでしょう。追い焚き機能がない場合には、入浴中にお湯が冷えてくるため、お湯の入れ替えや足し湯が必要になります。
そうした手間がなく、入浴中は常に快適な温度を保ってくれる追い焚き機能は、快適なバスタイムを求める方にとっては便利な機能となります。
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お風呂の追い焚き機能を後付けするデメリット
追い焚き機能を後付けすることで発生するデメリットには、次の2つが挙げられます。
- 工事費用・工事期間が発生する
- 追い焚き配管(風呂釜)の清掃が必要になる
注意点を把握したうえで、追い焚き機能の後付け工事を検討しましょう。
工事費用・工事期間が発生する
浴槽の交換や配管工事、浴室全体のリフォームを行う場合には、60万円〜150万円以上など、高額の工事費用がかかる点がデメリットとして挙げられます。
また解体工事や電気工事も必要なリフォームとなる場合には、自宅で入浴できない期間も長くなるでしょう。そのため、付近の銭湯や温泉施設を調べておく必要も出てきます。
追い焚き配管(風呂釜)の清掃が必要になる
追い焚き機能を後付けすると、浴室や浴槽の清掃に加えて、追い焚き配管(風呂釜)の清掃が必要となります。
追い焚きの仕組みとして、配管を通しての給排水となるため、掃除をせずに放置すると、汚れや水垢が蓄積する原因となります。特に2つの穴をあける「自然循環式」は掃除の手間が増える点にも注意しましょう。
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お風呂の追い焚き機能の後付けにかかる費用

お風呂に追い焚き機能を後付けする際に必要な費用としては、給湯器のみを交換する場合で15〜25万円、追加で配管工事が必要になる場合は20〜60万円が目安となります。
浴室全体のリフォームでは、前述の通り、60〜150万円程度が平均相場となっています。給湯器のグレードや工事の内容、ユニットバスを交換する場合は、ユニットバスの本体価格によっても変動するため、具体的な金額はリフォーム会社の見積もりを参考にしましょう。
▼なお、追い焚きだけでなく、お風呂全体のリフォーム費用の相場や施工事例については、こちらの記事をご参照ください。
>>お風呂・浴室のリフォーム費用相場│リフォスム
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費用を抑えるには「簡易追い焚き機」もおすすめ

賃貸住宅で工事がしづらい方や、あまり予算を割けない方には、「簡易追い焚き機」の選択肢もあります。
機器を購入するだけで、手軽に追い焚き機能を使えるため、風呂釜に追い焚き機能を後付けする場合のような費用や工事が不要です。
普通の追い焚き機能と比べると、簡易追い焚き機はお湯を温めるのに時間がかかることや、十分に温まりにくいなどのデメリットもありますが、安価で簡単に導入できる点がメリットです。なお、使用の際には、漏電や空焚きに十分注意しましょう。
簡易追い焚き機の選び方
簡易追い焚き機には、大きく分けて「保温タイプ」と「加熱タイプ」の2種類があります。保温タイプは、お湯の温度を保つ機能のみで、温度を上げることはできない点に注意しましょう。
そのため、給湯器の追い焚き機能と同様に使いたい方は、加熱タイプがおすすめです。ただし本体価格や電気代も高額になりやすいため、予算に合わせて選ぶ必要があります。
また、中には温度調節機能がついたものや、濾過機能が付属した製品もあるため、通販サイトやホームセンターで比較することをおすすめします。
簡易追い焚き機と給湯器の追い焚き機能の光熱費の違い
追い焚き機能をガス給湯器で使う場合、月に20日使用すると、2,500円〜3,000円程度のガス代が必要となります。
一方、簡易追い焚き機は電気を使用するため、同じ条件であれば1,500円〜3,000円程度の電気代が目安となります。
光熱費はあまり変わらない可能性が高いため、可能であれば、パワフルで短時間に温め直せる、給湯器の追い焚き機能を後付けする方が便利でしょう。
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簡易追い焚き機のおすすめ商品
費用を抑えたい方や工事が難しい方に向けて、簡易追い焚き機のおすすめ人気商品をご紹介します。
①スーパー風呂バンス

定格出力は1000Wと、簡易追い焚き機の中ではかなりのハイパワー。少ない電力で効率よく加熱するため、電気代を抑えることができ経済的です。
漏電遮断や空焚き防止など、お風呂でも安心してお使いいただけるよう様々な安全防止機能が搭載されています。
価格 | 59800円 |
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タイプ | 加熱タイプ |
②バス保湿クリーナー 湯メイク

この簡易追い焚き機の最大の特徴は、温度設定が細かくできる点です。30~45℃の間で、0.4度刻みで調整することができます。
またエコモードも搭載されており、ヒーターがOFFのままでも水を循環&浄化することが可能です。省エネと節水の両方を実現した、地球にも家計にも優しい簡易追い焚き機です。
価格 | 52000円 |
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タイプ | 加熱タイプ |
③バスパ

事前の準備は、電子レンジで10分ほど加熱するだけ。あとはそのまま湯船に入れれば、4~6時間ほど保温効果が持続。電気代は1回あたり約2.5円、しかもガス代はかからないため、1日2回の追い焚きと比較して、年間で3万円以上も節約できます。
家族の入浴時間がバラバラで、追い焚きや新しくお湯を追加するのが面倒と感じている方に特におすすめです。
価格 | 8800円 |
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タイプ | 保湿タイプ |
④ふろッキーDX

お風呂を沸かしてしばらくすると、特に下の方の水が冷たくて不便な思いをした経験はありませんか?ふろッキーDXを下の穴に差し込むことで、冷めたお湯が戻るのを防ぎ、お湯の冷めるスピードが遅くなります。
商品の特性上、2つ穴のお風呂でないと使えないので注意してください。
価格 | 2500円 |
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タイプ | 保湿タイプ |
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【2022】給湯器不足の現状
追い焚き機能を後付けするためには、給湯器の交換が欠かせません。ただ、2022年に入っても給湯器の不足が続いています。
給湯器不足の原因は?
工場のロックダウンや世界的な半導体不足により、2021年頃から現在まで給湯器の不足が続いています。
また、給湯器は稼働時間が長いほど故障しやすくなるため、寒い冬の時期は壊れやすくなります。さらに、凍結してしまうと修理・交換が必要となるため、品薄になりがちです。
給湯器不足はいつまで続く?
生産量は以前と同水準まで回復しつつありますが、注文が急増している各社ともに影響で納期が遅れています。
各メーカーの状況
- リンナイ:納期の正常化に時間を要している〈2022年8月25日時点)
- NORITZ:希望通りの納期でお届けできない場合あり(2022年6月27日時点)
- パーパス:注文が急増し納期の回答が困難(2021年10月1日時点)
2021年の12月には経済産業省と国土交通省が連名で「給湯器の安定供給に向けた要請」が出されました。
給湯器の安定供給に向けた要請
仮付けの給湯器の設置など適切な対応を行うこと 取引経験が無い業者からの調達も検討すること 給湯器の需給情報等の情報収集に協力すること |
給湯器は生活に欠かせないものということもあり、政府も取り組みを強化しています。
追い焚きの後付け工事はどのくらいかかる?
追い焚き機能の後付けは、配管工事を行った場合でも3日ほどで完了します。ですが、前述のとおり世界的に給湯器が不足しているため、業者に依頼してもすぐに工事を行えないのが現状です。
3~6か月程お待たせしてしまう可能性があるため、工事を検討している方は早めに依頼するようにしましょう。
悪徳業者に注意
給湯器の設置を急ぐあまり、すぐに対応可能というだけで業者を選んでしまい、金額や品質面で残念な思いをしてしまう方が増えています。
リフォスムは、独自の加盟基準を満たす会社だけを厳選しているため、安心して工事を依頼できますよ。
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お風呂の追い焚き機能は後付け可能!ただし気を付けるべき点も
お風呂の追い焚き機能は、持ち家であれば多くの場合で後付けが可能です。追い焚き機能を使うことで光熱費・水道代の節約につながるほか、家族が多くても快適に入浴時間を過ごせるメリットがあります。
ただし工事費用・工事期間が発生するほか、配管部分の定期的な手入れが必要になる点にも注意しましょう。
なお、リフォーム会社に依頼する際には、「リフォスム」がおすすめです。リフォスムでは無料で物件のエリア規模などに応じた費用シミュレーションや優良業者の紹介を依頼することが可能となっています。是非この機会に使ってみてはいかがでしょうか?